弁護士の事件管理について考える(業務効率化、ツールの選び方)

表計算ソフトのExcelで事件管理できる?

弁護士が事件管理を行う際に,Excelで管理しているということも多いと思われます。
Excelは非常に優れたツールで柔軟に使えるということもあり,またもともと業務で使っていて追加の出費が必要ないという点から,そのまま継続しているというケースも多いかと思います。

そのような場合,Excelでも一応事件の管理はできているのだから,わざわざ専用の事件管理ツールなど入れる必要がないのではないかとも思えてしまいます。

しかしながら,Excelはもともと表計算ソフトであり,効率的な事件管理を行うことは簡単ではありません(関数をいろいろと組み合わせたり,マクロを組んだりということを行うことでかなりのことができるようにはなると思われますが,そのようなことを行うこと自体がかなり大変ですし,限界もあります。)。

事件管理が「できる」ということと,「効率良くやれる」ということの間には大きな差があります。
専用の事件管理ツールであれば,Excelでの事件管理よりも格段に高い効率を実現出来る可能性が高いです。
自覚がないだけで,知らない間に非効率な作業を日々繰り返しているという可能性もありますので,効率的な管理とはどのようなものか,知っておくことには意味があると思います。

事務処理は繰り返し行うものなので,わずかな無駄も積み重なっていくという視点を持つ

弁護士の業務は,自分自身で行わなければならないものが多いことから,24時間しかない「自分の時間」をいかに有効活用するかが重要です。

その点では,日常的に繰り返し行っている作業の中に無駄な部分があると,積み重なって大きな差が生じてしまいますので,そのような無駄を優先的に排除していくべきです。

例えば,必要な情報がバラバラに保管されていると,求める情報を探すために,事務所の中・パソコンの中をあちこち探す手間がかかります。
これは,情報が適切な形で一つのところにまとめられてさえいれば,完全に排除できる時間です。

また何度も同じ情報を入力しているなど,同じ作業を繰り返している場面も多く見られます。
これは,適切なツールを用いていれば,意識しなくても避けることができます。

このような無駄な時間を減らすことができれば,その分もっと早くほかの仕事を進めることができます。またもっと早く仕事を終わらせてプライベートな時間を持つことができます。

では,具体的にはどのようにして無駄を排除してくことができるでしょうか。

業務における無駄を排除するには?

業務における無駄を排除するには、業務で扱う情報を処理しやすい形で管理して、効率化していくことが重要です。具体的には下記のようなことが考えられます。

デジタル化を進める(紙での管理からの脱却)

まず情報を扱いやすくするために,極力デジタル化することが重要です。

紙を用いたアナログなやり方ですと,検索ができなかったりで活用が難しいですし,その紙がある場所でしかその情報にアクセスできないという限界が生じてしまいます。
それに対し,情報がデジタル化されていれば,情報へのアクセスや加工が容易になります。
具体的には机上におけるようなスキャナーや,複合機のスキャン機能によって,紙の資料を極力PDF化する業務習慣を作っておくことをお勧めします。
複合機の機能にもよりますが,FAXを毎回紙に出力するのではなく,PDFファイルとして出力する機能もあり,このような設定にしておくと,時間だけでなくコピー用紙の節約にもなります。

専用ツールを用いる(Excelでの管理からの脱却)

また,繰り返し同じ作業を行わないために,そのような無駄を省くことを実現している専用のツールを用いるべきです。
事件管理のシステムがあっても,使いにくかったり,入力しづらいものであれば,結局情報の集約が図れないため,システムの真価を発揮することができません。
この点弁護士向けの専用のツールであれば,情報入力の手間などにも配慮されているものもあり,その点に注意してサービスを選択すれば,情報をフル活用することができます。
具体的には,手持ち事件がそれぞれどの段階にあるのか,次回期日はいつで,次のやるべきことは何かなど,情報を様々な角度から一覧表示で確認したりすることができます。
その他,リマインド通知を行ったりと,Excelでは困難なことも簡単に実現可能です。

クラウド化を進める(場所の制約からの脱却)

その上で,情報へのアクセスをより容易にするために,クラウド化を進めることがお勧めです。
例えばクラウドでの一元管理を進めれば,Excelでの管理のように,事務所に行って,そのパソコンの,そのファイルを開かないと情報にアクセスできないということから解放されます。
クラウド化を進めておけば,新型コロナウィルスの感染拡大時のような,職場への移動が難しい状況でも,従来と変わらない形で事件の管理を進めることができます。

事件管理ツール選びの視点

以上から,少しでも時間の無駄をなくすためには,弁護士向けの事件管理ツールを用いるのが望ましいということがお分りいただけるかと思います。

もっとも,弁護士向けの事件管理ツールといっても,どう選んだらいいのかわからないという場合もあるかと思います。
そこで,以下では事件管理ツール選びの視点について記載します。

簡単に試用できるか

インターネット上でよく見かける情報は,企業法務向けのサービスを提供している企業がまとめた情報が多く,一般民事の弁護士のためのツールについては,十分正確な情報がないというのが現状です。
したがって,ネット上の情報を鵜呑みにするのではなく,まずは実際に試用して触ってみることをおすすめします。
事件管理ツールは,基本的にはある程度長期間にわたって使用するものですから,事務所の業務のあり方や使う人の感覚に合うかどうかをよく確かめる必要があります。
資料や説明を受けるというような受動的な確認の仕方もできますが、最終的には実際に使用してみて確認するのが最も肝要といえます。

無駄に高額でないか

弁護士向けのサービスというと,まず高価格という意識があるかもしれませんが,そのような先入観を持つ必要はありません。
既に見てきたように,事件管理ツールは「無駄」を排除するために導入するものですので,そのツールを導入するために無駄に高い価格を支払うことになってしまうのであれば,本末転倒となってしまいます。
長期間にわたって利用するものですから,わずかな価格の差も積み重なって大きな影響が生じます。価格の点でも無駄を排除する意識を持っていただくことは,経営の安定という観点からも重要なのではないかと思います。

入力効率が意識されたサービスになっているか

事件管理ツールに情報が一元化されると,「ここさえ見ればいい」という安心感が生まれます。記憶は時間とともに薄れていきますが,記録したものは基本的に後からいつでも確認することができますので,事件管理ツールに記録された情報で助かったという経験をすると,より一層きちんと情報を入力していこうという好循環が生まれます。

このような情報の一元化を実現する前提として,事件管理ツールへの入力が簡単であることが重要です。
よくある例としては,想定通りに情報が入力されていけば素晴らしいシステムだったとしても,情報を入力するのに必要以上の手間がかかるものだと,ついつい入力を面倒に感じてしまい,知らず知らずのうちに入力がされなくなっていくということです。
このように入力が面倒では,せっかく素晴らしいシステムだったとしても,絵に描いた餅となってしまいます。

LegalWinという選択

LegalWinは,一般民事を取り扱う弁護士である開発者が,もともと自分の実務上の必要性から開発したツールを長年に渡って発展させてきたものです。
一般民事を取り扱う法律事務所において必要となる機能は何かということを考え抜いて作られ,改良を続けているものですので,機能の点では間違いがありません。

特に,弁護士,事務員問わず,パソコン操作に詳しいかどうかにかかわらず,すぐに使える,簡単に使えるということを重視して設計されていて,入力効率を重視したシステムとなっています。

またLegalWinには,PDFをクラウドで管理して全文検索することができる機能や,タイムチャージ機能,通帳OCR機能など,従来のExcelでの管理では実現できない機能が多数あります。これらによって更に事務処理を効率化することができます。

価格も月あたり1480円(税別。年額払の場合)からです。

時間の点,費用の点で損をされないように,従来のやり方から脱する決断を早めにしていただくことをお勧めします。
LegalWinのご試用はこちらから

事件一覧画面の紹介

LegalWinでは、各事件の詳細情報を表示する画面もありますが、手持ちの事件全体を一覧して表示する画面もあります。

この事件一覧画面では、個別の事件の詳細画面へのリンクなどの表示のほか、その事件の次回期日(まだ到来していないもののみ)や期限の近いTODO、一番直近で入力された業務メモなどが表示されます。
これにより、手持ち事件全体の動きを大きく俯瞰し、目的とする事件の情報に素早くアクセスすることができます。

上記のように、事件一覧画面に各事件の動きが分かるような情報を表示するようになったのは、利用者の方からのリクエストによるものです。
LegalWinでは、利用者の方からお気軽に機能要望をいただけるようにしており、寄せられた機能要望に対しては素早く適切な対処を行うよう努力しております。

2020年10月12日 の更新

・「文書OCR」機能の名前を「文書クラウド管理」に改めました。
・「文書クラウド管理」機能について、文書内容を表示する際の動作の速度(ページ移動の速度)を改善しました。
・「ファイル共有」機能について、リリース記念として全プランに開放して参りましたが、当初アナウンスさせていただいていたとおり、無制限の利用はベーシックプラン以上とさせていただきます。
 (スタータープランについてはファイル3つまでアップロードを行うことが可能です。)
・「時間管理」機能について、事件詳細メニューでもタイムレコードの複製を行うことができるように修正しました。
・その他各種表示の調整等を行いました。

2020年10月9日 の更新

・業務メモの削除の動作を改善しました。
・分割払い機能の入力の際に半角数字に自動的に変更されるように修正しました。
・タイムチャージ(時間管理)機能の7daysviewに過去の日付の未了のタイムレコードを表示するように修正しました。
・その他各種表示の調整等を行いました。

ファイルを保存し、PDFにOCR処理をすることで全文検索可能にする

LegalWinは、単に事件が管理できるだけではなく、事件処理に役立つ機能も備えています。

中でも電子記録管理機能は、ファイルを保存(1ファイル毎の容量制限はありますが、全体の保存容量制限はありません)するだけでなく、PDFにOCR処理をすることで全文検索を可能します。
この検索は、特定のPDF内だけを対象とするのではなく、当該事件に含まれるすべてのOCR済みのPDFを対象としますので、例えば、証人尋問の準備を行う場合などで、「誰がどの記録でどんなことを言っていたか」を一瞬で検索することができるようになります。

この機能の概要は、以下のとおりです。
・保存したファイルがPDFの場合、内容をそのままブラウザ内で閲覧することができます。
・「OCR実行」というボタンから、PDFのOCR(文字認識)処理を行うことができます。
・OCR処理済みのファイルについては検索が可能になり、複数ファイルを横断して、何万ページもの記録があっても、瞬時に必要とするページを検索して読むことが可能になります。

検索機能だけのために毎月費用をかけなくても、LegalWinなら、案件管理と連携した記録の全文検索システムを実現することができます。

ホーム画面

事件詳細メニューの中に「電子記録管理」というメニューがあり、そこから電子記録管理機能の画面に移動できます。

簡易な内容表示

画面上部のエリアはドラッグ・アンド・ドロップできるようになっていますので、アップロードしたいファイルを持っていくと、即座にクラウドにアップロードされます。
(エリアをクリックするとファイル選択のダイアログが表示されますので、そこからアップロードするファイルを選択することもできます。)
アップロードしたファイルは中央下部に一覧で表示されます。
ダウンロードしたり、削除したりということもできますが、PDFファイルと一部の画像ファイル(.jpg,.jpeg,.pngファイル)については、ブラウザ内で即座に内容を表示させることができます。

管財事件の開始決定等、何度も内容を確認する資料を置いておくと、いちいちPCの中を探す必要なく、LegalWinの画面内で即座に内容を確認できて便利です。

操作の全体を示した動画もありますので、参考にされてください。

OCR処理

アップロードしたファイルがPDFの場合(ファイル名の拡張子で判別します)、電子記録管理機能のホーム画面のファイル一覧には、緑色の「OCR実行」ボタンが表示されます。
同ボタンを押すと、OCR処理が行われ、処理が終わると画面上に通知が表示されます。
(この処理には少々お時間をいただきますが、その間他の画面に移動するなどして他の作業を行うことができます。)

OCR処理が終わったファイルの内容表示

OCR処理が終わると、「OCR結果確認」ボタンが画面上に表示されます。
そこから、OCR認識が終了した記録の内容表示画面に移動できます。
(この画面で記録の内容部分をクリックすると、大きく拡大表示することができます)

画面右上の「OCRテキスト表示」ボタンを押すと、画面右半分にOCRで認識されたテキストが表示されます。
また「ブックマーク追加・編集」ボタンを押すと、メモを追加する画面が表示されます(既に同ページにメモを作成済みの場合には、そのメモも表示されます。)。
左半分に表示される記録の内容を見ながら、後から見返すときのためにメモを残しておくことができます。
このブックマークは、あとから一覧することができ、即座にメモをとったページに移動することができます。

OCR処理が終わっている記録については、ファイルの内容で検索が可能となります。
当該事件の記録全体から検索を行うことができますので、記録を一つ一つ探していかなくても、一気に情報を探すことができます。
なお、ファイル名で絞り込みを行いたい場合は、下記画像のようにファイル名を入力する欄に入力することで絞り込みをすることができます。

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