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事件記録をAIがまるごと分析|LegalWin「事案分析」機能ガイド

事件記録が分厚くなるほど、「記録を読み直す時間」が重くのしかかります。
訴状と答弁書を読み比べ、準備書面の応酬を追いかけ、書証を突き合わせ、争点と証拠の対応を頭の中で組み立てる。
弁護士の仕事の中でも、特に時間がかかり、特に省略できない作業です。

LegalWin(リーガルウィン)の「事案分析」機能は、この記録検討の下ごしらえをAIに任せるための機能です。
事件に登録した記録一式をAIが読み込み、実務家の思考枠組に沿った分析メモを自動で作成します。

この記事では、事案分析が「どのように動くのか」「何を出力するのか」を、実際の画面とともに紹介します。

※ 画面例はすべて架空事案です。実在の事件・人物とは関係ありません。

事案分析とは ― 記録一式を「実務家目線」で読むAI

事案分析は、事件ごとの記録保管画面(LegalWinドキュメント)に組み込まれたAI機能のひとつです。
事件にアップロードした訴状・答弁書・準備書面・書証・陳述書・尋問調書(PDFについてはOCR処理後のもの)などをまとめてAIが読み込み、事案の全体像を1本の分析メモに整理します。

ポイントは、単なる「記録の要約」ではないことです。
事案分析は、裁判実務をふまえて主張と認否を対応させ、証拠がどの要件事実をどこまで支えているかを評価します。

また、資料にない事実を創作しないことを分析全体のルールとして徹底しています。
引用される判例・条文も、記録と、LegalWinが内部に持つ分析の型にあるものに限定しています。
汎用の生成AIにありがちな「もっともらしい創作」を抑えることを、設計段階から重視した機能です。

使い方は「選んで、実行」だけ

操作はシンプルです。
事件の記録画面で、AIモードから「事案分析」を選び、AIモード検索ボタンを押すだけです。
質問文の入力は不要で、記録全体が自動的に分析対象になります。

LegalWinドキュメント画面で事案分析(要件事実ベース)モードを選択したところ
事件の記録画面でAIモードから「事案分析」を選んで実行する。

LegalWinには、従前から事件記録をOCRして全文検索する機能があります。進行中の事件で、記録を検索可能にするだけにとどまらず、AIによる分析まで可能になりました。

実行すると、分析の進み具合がステップ表示されます。
資料の正規化から、事案の分析、争点整理、分析メモの生成、という多段階のパイプラインが順に動きます。

事案分析の進行状況表示。ステップ3/9で各論候補を抽出しています
分析中はステップと進捗が表示される。処理はバックグラウンドで進むので、画面を閉じても構わない

分析には、記録の分量やサーバーの混雑具合に応じて十数分〜40分程度かかります。
処理はバックグラウンドで実行されるので、待っている間も通常どおりLegalWinを使えます。
完了すると通知でお知らせします。

紛争類型から、事案に合う「型」を自動判定

紛争類型ごとに分析の枠組みは異なります。
LegalWinの事案分析は、分析の型を内部に持っており、記録の内容からどの類型の事案かをAIが自動判定します。
利用者が類型を選ぶ操作は必要ありません。

カタログは、次のような分野をカバーしています。

  • 契約関係:売買代金、貸金返還、請負報酬、保証債務、リース料、クレジット・立替金 など
  • 不法行為:一般不法行為、共同不法行為、使用者責任等の特殊不法行為、不貞慰謝料、製造物責任 など
  • 不動産:所有権に基づく明渡し・妨害排除、賃貸借終了に基づく明渡し、取得時効、共有関係 など
  • 労働:賃金・時間外手当、解雇を争う地位確認、退職金、安全配慮義務違反 など
  • 家事・人事:離婚、婚姻費用・養育費、親子関係、遺言無効、遺留分侵害額、相続関係確認 など
  • 会社・商事:株主総会決議取消し、取締役の責任追及、手形・小切手 など
  • 知的財産:特許・商標・著作権侵害、不正競争、職務発明対価 など
  • 倒産・執行:破産管財人による否認訴訟、免責の抗弁、請求異議、第三者異議 など
  • 行政・消費者・保険:処分取消訴訟、住民訴訟、過払金返還、特商法・消契法、保険金請求 など

分析結果には何が表示されるか

分析が完了すると、次のような構成の分析メモが表示されます。
いずれも、依頼者がどちらの立場か(原告側か被告側か)を踏まえた「当方視点」で書かれます。

1.時系列表

記録全体から出来事を拾い出し、「時期/出来事/裏付け・証拠状況」の表に整理します。
単に日付を並べるのではなく、主張のストーリーと、その裏付けがどの証拠にあるか(あるいは無いか)が一目で分かる形にします。

事案分析の時系列表。時期・出来事・裏付け証拠状況の3列で整理される
時系列表。裏付けの有無まで含めて整理される

2.主張経過の整理

訴状 → 答弁書 → 準備書面という書面の応酬を、提出された順に1通ずつ追いかけ、各書面で何が主張され、何が認められ、何が否認されたかを文章で整理します。
「この事件は今どこまで来ているのか」を、記録を読み返さずに把握できます。

3.要件事実・争点の整理表

請求原因・抗弁・再抗弁を層ごとに分け、要件単位の表に落とし込みます。
各要件について「原告の主張の要旨」「被告の認否」「評価(争いなし/争いあり/立証弱い)」が1行ずつ並ぶので、争点の全体像と現在地がすぐに掴めます。

要件事実・争点の整理表。請求原因の要件ごとに主張・認否・評価が並ぶ
要件事実・争点の整理表。請求原因と抗弁が層別に表になる

4.証拠評価と主張立証上の到達点

主要な証拠を1点ずつ取り上げ、「真正性・成立」「信用性」「推認力」の観点で評価します。
弁護士が現物で確かめるべき点があれば「【要確認】」として指摘します。

証拠評価セクション。証拠1点ずつ真正性・成立、信用性、推認力の観点で評価される
証拠評価。書証1点ずつ定型の観点で評価される

書証だけではありません。
陳述書や本人尋問・証人尋問の調書があれば、人証・供述証拠として供述者ごとに評価します。
供述の一貫性や変遷、客観証拠との整合、自己に不利益な事実の自認といった、実務で供述の信用性を測るときの観点が組み込まれています。

本人尋問調書の評価。供述の一貫性や揺れがページ番号付きで整理される
尋問調書も供述者ごとに評価。供述の一貫性・揺れが調書のページ番号付きで示される

証拠評価の締めくくりには「主張立証上の到達点」として、核心的な争点ごとに、立証責任を負う側の立証がどこまで到達しているか(達した/あと一歩/不足)を、中立に判定します。
当方に不利な見立ても、そのまま書かれます。
都合の良い分析では、期日での軌道修正に使えないからです。

5.残るリスク・今後の方針

ここまでの分析を踏まえ、当方にとってのリスクと追加で確認・収集すべき証拠、次の書面・立証で何をすべきかが、具体的なアクションとして提示されます。

6.解決の見通し(判決予測・和解水準の参考)

最後に、このまま判決まで進んだ場合の見込みと、和解で解決する場合の水準の見立てが示されます。
和解レンジの金額は、記録上に実際にある客観的な数値(請求額・既払額・査定書など)だけをアンカーとして幅で示し、各金額がどの資料のどの数値に由来するかを明記します。
記録に金額の根拠がなければ、金額を創作せず「記録上の金額アンカーなし」と明示する設計です。

解決の見通しセクション。判決の見込みと和解水準の見立てが示される
解決の見通し。判決見込みと和解水準が、記録上の数値を根拠に幅で示される

こんな場面で役立ちます

  • 受任直後の記録検討:相手方の主張の弱点と、当方が集めるべき証拠の当たりを最初に付ける
  • 期日前の準備:書面の応酬と争点の現在地を短時間で再確認する
  • 尋問前後の検討:供述証拠を含めた証拠構造を整理し、立証の穴を見つける
  • 和解の検討:判決リスクと和解水準の見立てを、依頼者に説明できる粒度で用意する
  • 事件の引き継ぎ・共同受任:記録を初めて読む弁護士が全体像を掴む時間を短縮する

なお、控訴審の記録にも対応しています。
控訴状・控訴理由書などが含まれる記録では、不服申立ての範囲を踏まえた控訴審視点の分析に自動で切り替わります。

利用にあたっての注意

事案分析の出力は、弁護士の検討を支援するための参考情報です。
記録の読み落としや評価の誤りが含まれる可能性は常にあり、法的判断そのものを代替するものではありません。
必ず弁護士自身が記録に当たって確認したうえでご利用ください。
分析メモが「【要確認】」として原資料の確認ポイントを提示するのも、この使い方を前提にしているためです。

提供時期について

事案分析機能は現在、提供に向けた最終準備中です。
提供開始時期・対象プランなどの詳細は、決まり次第このページとお知らせでご案内します。

LegalWinは、事件管理・記録管理から書面作成、そしてAIによる記録の分析まで、弁護士の実務をひとつのシステムで支えることを目指しています。
フリープランでは事件30件まで無料でお試しいただけます。

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